「阪神淡路大震災より10年」

 それはAWA研鑽会の帰りに土産を買っている時だった。(2004 10. 23)
「お客さん長野の方でしょ。今新潟で地震があったのよ。大丈夫?」と (新潟県中越地震)
 もう来たかと思った。先ほどAWA会長とそんな話をして分かれてきたばかりだったから。
 新宿を19:00のあずさに乗る為改札口に向かった。
 ラジオをいつも携帯しているので、乗ったら早速SWを入れた。かなり大きい地震の様だ。
 NHK-FMはそれから数日間被災者連絡情報を流していた。
 被災者の方々には呉々もお見舞い申し上げます。
 昭和56年新耐震法が制定され、それから14年後に兵庫県南部地震 
その3年後に建築基準法が改正され、いわゆる「中間検査」が導入された。
(S23年当初からだと10回の改正らしい。)
 FAB(製作者=ファブリケーター)にとっては沢山の学者の言う事に戸惑いながら踊らされて
きた10年だった。
1 スカーラップ ノンスカラップ,スカラップ改良法
2 鋼材の種類 SS400 SN400A,SN400B,SN490C,BCP,BCR etc.
3 溶剤の種類 YGW-11,YGW-18 etc
4 パス間温度 多層盛り,250℃,350℃
5 食い違い,ズレ 検査補強マニュアル (平成15年版)
 等々、片や建築全般から眺めると、免震構造や制震構造について大きく展開が諮られている。
 日本の建築鉄骨の歴史は半世紀(50〜60年)を過ぎたところだ。道具を発明したホモサピエンスから
縄文時代等々歴史の中で眺ればほんのわずかな時間に相当する。
 Plan→Do→Check→Action→Plan→・・・・・・・・・・・・・・・・・…∞を何万回と繰り返してきたのだろうか?
 研究者がいて又、設計者がいてFABがいる。重箱の隅では全く実に困ります。
 ですから我々FABは縄文の時代からずっと「鐵」と付き合ってきているのですから、、、、
 少なくも我々FABは誇りを持って、Workに取り組み、これから先も十二分に研鑽していく所存です。
 次の「200X年のXデー」が何時なのか?我々技術者は無力であってはいけないのです。
平成17年 1月 23日
AWA検査技術者
赤羽広治
参考文献:「巨大地震と無力な技術者」(丸善)