「耐震補強工事について」        
                 
    馬鹿なひとつ覚えとしか思え無い        
                 
                 
 全く建築鉄骨の仕事が無くなったとき。          
ふと昔の同僚に掛け合い、早速仕事を斡旋して頂いた。        
がしかし、値段はさておき、この様なやり方で、どこのファブも皆鉄骨を組み立っているのか?  
と疑問ぎもんの連続であったが、仕方無く一物件のみやってみることとした。    
                 
 それが東京のある小学校の耐震補強工事の製作である。      
                 
 先ず、材料である。枠材がなんでもかんでも、        
@ SN400B         SS400ではいけないのか?
次に、                
A H鋼の内側フランジの切欠きである。   どこの物件も殆ど同じらしい。
                 
 これについての問題点            
                 
  1 ガス切りによる材料の歪        
  2 ガス切りによるノッチ除去の手直しの手間      
  3 ガス切りによる歪盗り時の熱影響    SS400の方が矯めにはいいと考える
  4 組み立て前の(仮組み)精度妥協点をどこまでとするか?    
                 
 尚、このフランジ片面切欠きにはかなりの工数と熟練(ここでは熟練とは言いたく無い)が必要
                 
提案 1 このように横行している耐震設計だったら ミルメーカーにロールHを製作して頂く事
  2 一般に流通しているHでノン歪で設計して頂く。 横行している設計の真似をするな。
                 
 このような観点からして、耐震補強の物真似事は止めていただきたい。    
猫も杓子も耐震補強と言って、国から頂けるお金で、全く同じことをしている。    
 が、他国の如く、ひとつのポリシーを持って、又地元じもとに大勢の技術者が居るではないか。
なんでかんで、同じ設計をすることは無いんだ。        
 オレは知らねえぞ。鉄筋コンクリートの壁ばっかり強固に雁字搦めに補強してしまって、  
いざ大震災が来て、床が壊れて落ちて行く姿を見たくは無い。      
                 
疑問                
                 
1  何故、殆ど同じ設計で、容認されてしまったのか? 世の中の構図か?  
2  なぜ、新校舎を柔軟性のある鉄骨建築で設計しないのか? 耐震補強して改修するより安価
                 
                 
                 
                 
                 
 次の「200X年のXデー」が何時なのか?我々技術者は無力であってはいけないのです。  
                 
                 
                 
        平成21年 8月 27日      
          AWA検査技術者    
            赤羽広治